先週読んだ小説は2冊。
垣根涼介「借金取りの王子」
この前紹介した「君たちに明日はない」の続編。こいつが面白かったので、続編をすぐ買って読んでみたというわけだ。
1話完結モノで、今回も様々な人間をリストラするために面接している。前作に比べてリストラされる人間の魅力が増している感じがして、あっというまに読み終えてしまった。
なかでもタイトルになっている第3話「借金取りの王子」が良かった。サラ金に就職したイケメンと、元ヤンの女上司の話。朝の電車で読んでいたにも関わらず、目に涙が貯まったね。あまりによかったから、最後まで読み終えた後にこの話だけはまた読み直してしまったくらい。そしてまた泣けた。
垣根涼介「張り込み姫」
「君たちに明日はない」シリーズの第3弾。出たばっかりなのか、古本屋になかったので新品を買ってしまった。こいつでこのシリーズはとりあえず読破してしまったみたい。短編集みたいなもので気軽に読めるからかすぐ読み終えてしまうのがちょっと寂しい。なんだか巻を重ねるたびに主人公の人間味が増している感じがする。面接の相手にどんどん感情移入してしまうところとか。普通は言わない個人的な感情を相手に言ってしまうところとか。
このシリーズでは第3話「みんなの力」が好み。効率無視で完璧に仕上げる自動車整備士の話。「君たちに明日はない」をこの前のエントリーで紹介したときに、楠みちはるの「湾岸ミッドナイト」にノリが似ていると書いたが、この話は中身までまんま湾岸ミッドナイト。その中でも平本編にノリが似てる。だいたいアレだな、マンガや小説の中に出てくる自動車整備士って悪く書かれることがほとんど無いよね。多少偏屈なところがあっても、自動車に対する知識と愛情が半端じゃない。
それにしてもこのシリーズを立て続けに読むと、作者が好きなタイプがどんどんわかる感じ。ワイシャツは淡い色つきで、ネクタイはちょっと派手目が作者の好みのようだ。そんな恰好をしている登場人物は、だいたい物語で幸せな結末になっている。挙げ句の果てには、「みんなの力」の中には本人そのままと思われる登場人物が出てきている。その登場人物を見るに、たぶん垣根さんはクルマが大好きなんだろう。それもアンフィニ時代のマツダ好き。
この小説を読んで、なんだか洗車がしたくなってきた。来週雨じゃなかったら洗車をしよう。
2012年05月20日
2012年05月19日
極限の化粧士
東京での新しい職場に異動して1ヶ月と半分。
だいぶ慣れたと言いたいところだが、目下の悩みがとりあえず一つ。
それは仕事の内容とかじゃなくて、毎日の電車に乗るときにある。
とりあえず朝と夜、どの電車もけっこうな密度で満員なわけで、そんな電車に乗ると、つり革のないゾーンに立たされることがある。つまり電車のドアが開いて、まっすぐ進み中間地点に落ち着いたとき。上を見上げると、そこには何もない。手を伸ばしても、この手に掴めるものは何もないのだ。
そのときオレは膝を軽く曲げ、革靴の中から足の指を立ててしっかりと地面を噛み、腹筋に力を入れて倒れないようにする。スキーと一緒で近くを見てると体が安定しないので、なるべく遠くを見るようにする。地下鉄の窓の外は間違いなく漆黒の闇なんだけど。
そんな必死こいてるオレの隣で、同じようにつり革に捕まらず立っている若い女の子がおもむろにコンパクトを取り出し、なんと目にアイラインをひきはじめた。びっくりして女の子を見ると、ホットパンツを履いたその足はまさかのクロス。X字を描いている。確かに足をクロスさせるとすっきり見えるのはオレも認めるところだが、ここは満員電車なわけで。世の中にはすごいヒトがいるもんだ。おそらく体幹の強さが並みじゃないのだろう。
オレが電車の揺れに耐えきれず、その女の子にぶつかって目にアイラインのエンピツが刺さったら、多分オレは逮捕されちゃうんだろう。あるいは女の子がグラついてオレのほうにもたれかかってきて、そのはずみでエンピツが女の子目に刺さったとしても、やっぱりオレは逮捕されるような気がする。運よく目に刺さらなくても、顔にエンピツでクイーンエメラルダスばりの線が引かれちゃったら逮捕はされずともビンタはされそうな気がする。
東京って普通に危険が転がってて恐い。恐くてスゴイ。コワスゴい。
だいぶ慣れたと言いたいところだが、目下の悩みがとりあえず一つ。
それは仕事の内容とかじゃなくて、毎日の電車に乗るときにある。
とりあえず朝と夜、どの電車もけっこうな密度で満員なわけで、そんな電車に乗ると、つり革のないゾーンに立たされることがある。つまり電車のドアが開いて、まっすぐ進み中間地点に落ち着いたとき。上を見上げると、そこには何もない。手を伸ばしても、この手に掴めるものは何もないのだ。
そのときオレは膝を軽く曲げ、革靴の中から足の指を立ててしっかりと地面を噛み、腹筋に力を入れて倒れないようにする。スキーと一緒で近くを見てると体が安定しないので、なるべく遠くを見るようにする。地下鉄の窓の外は間違いなく漆黒の闇なんだけど。
そんな必死こいてるオレの隣で、同じようにつり革に捕まらず立っている若い女の子がおもむろにコンパクトを取り出し、なんと目にアイラインをひきはじめた。びっくりして女の子を見ると、ホットパンツを履いたその足はまさかのクロス。X字を描いている。確かに足をクロスさせるとすっきり見えるのはオレも認めるところだが、ここは満員電車なわけで。世の中にはすごいヒトがいるもんだ。おそらく体幹の強さが並みじゃないのだろう。
オレが電車の揺れに耐えきれず、その女の子にぶつかって目にアイラインのエンピツが刺さったら、多分オレは逮捕されちゃうんだろう。あるいは女の子がグラついてオレのほうにもたれかかってきて、そのはずみでエンピツが女の子目に刺さったとしても、やっぱりオレは逮捕されるような気がする。運よく目に刺さらなくても、顔にエンピツでクイーンエメラルダスばりの線が引かれちゃったら逮捕はされずともビンタはされそうな気がする。
東京って普通に危険が転がってて恐い。恐くてスゴイ。コワスゴい。
2012年05月13日
君たちに明日はない他1冊
先週読んだ小説は2冊。
垣根涼介「君たちに明日はない」
コメント欄で教えていただいた小説。近所のブックオフにちゃんと置いてあって、無事読破。
主人公がリストラ面接官という、どうしたってネガティブな話題なんだけど、読後感は割りとスッキリしている不思議な小説。小説の中で主人公に面接される人間は何人かいるんだけど、面接をされたことで自分を見直すというか、乗り越えていくというか、そういうところが読んでて気持ちがいいところなんだと思う。
とりあえずこの小説、登場人物の描写がすごく細かい。そして登場人物は、その細かいところを面接などでお互いを認識していく。その「一流は一流を知る」みたいな感じが、なんだか楠みちはるの「湾岸ミッドナイト」みたいだなと思ったね。
上のは湾岸ミッドナイトの名言で適当に探してきたやつなんだけど、この小説では登場人物がお互いのヒトとなりを探りながら、結局は認め合っていくという感じ。リストラを題材にしている小説だけど、実はみんな有能で、会社の都合で理不尽にリストラの対象に上がっているって感じなんだよね。
出勤時にリストラ小説を読むのはキツいかなと思ったけど、思ったよりポジティブで面白く読めた。続編もすでに買ってあるよ。
奥田英朗「家日和」
奥田英朗はだいたい読破しただろうと思ってたら、全然そうでもなかった。というわけで、夫婦や家族をを題材にした短編集、「家日和」を購入。
ネットオークションにハマってしまう主婦。落札者からの評価欲しさにダンナの大事にしてたギターを売ってしまう。ホントに読んでてハラハラするんだけど、結局は暖かい夫婦愛に収束して、非常に良い感じで話しは終わる。ここでこの同じ作者の「最悪」とか「邪魔」だったら、主婦はその秘密を消すために、ダンナをギターの弦で絞殺するか、自宅に火を放つことだろう。
かるーく読めて、ユーモアも豊富でしかも超ハートウォーミング。私生活で弱っているヒトにも安心して勧められる小説ですよ。
垣根涼介「君たちに明日はない」
コメント欄で教えていただいた小説。近所のブックオフにちゃんと置いてあって、無事読破。
リストラ請負会社『日本ヒューマンリアクト』に勤める会社員・村上真介の仕事は、リストラ専門の面接官。たとえ、相手に何を言われようとも、真介はこの仕事に、やり甲斐を感じている。その一方で、建材会社に勤める・芹沢陽子の面接を担当した際、彼女の気の強さに好意を抱き……。
主人公がリストラ面接官という、どうしたってネガティブな話題なんだけど、読後感は割りとスッキリしている不思議な小説。小説の中で主人公に面接される人間は何人かいるんだけど、面接をされたことで自分を見直すというか、乗り越えていくというか、そういうところが読んでて気持ちがいいところなんだと思う。
とりあえずこの小説、登場人物の描写がすごく細かい。そして登場人物は、その細かいところを面接などでお互いを認識していく。その「一流は一流を知る」みたいな感じが、なんだか楠みちはるの「湾岸ミッドナイト」みたいだなと思ったね。
7千回転の小さな谷 よく気づいたナ
別にかくしてたワケじゃない
走行性能にかかわるほどのレベルじゃなかっただけだ
だけどお前が気になるなら きちんと直してやる 完璧にだ
わかるヤツにはわかる オレはもうわかるヤツの車しか手を入れたくない
商売なんかなりっこねェヨ
誰も中毒になることなんか望んでいない
だけど
そこまでいかなければ見えない世界があり
そこまでいってこそ わかる世界がある
上のは湾岸ミッドナイトの名言で適当に探してきたやつなんだけど、この小説では登場人物がお互いのヒトとなりを探りながら、結局は認め合っていくという感じ。リストラを題材にしている小説だけど、実はみんな有能で、会社の都合で理不尽にリストラの対象に上がっているって感じなんだよね。
出勤時にリストラ小説を読むのはキツいかなと思ったけど、思ったよりポジティブで面白く読めた。続編もすでに買ってあるよ。
奥田英朗「家日和」
奥田英朗はだいたい読破しただろうと思ってたら、全然そうでもなかった。というわけで、夫婦や家族をを題材にした短編集、「家日和」を購入。
初めてのインターネットオークションで落札者から「非常に良い」の評価を受けた喜びから、家にある不用品を次々出品し始め、ついには夫の私物を許可なく出品し始めてしまう主婦を描く「サニーデイ」、会社が倒産しどうしようかと迷う間もなく妻が前の職場に復帰し、専業主夫となった夫の奮闘振りを描く「ここが青山」、妻との別居が決まり、がらんどうと化した部屋を心おきなく自分の趣味に合わせて模様替えする「家においでよ」、内職斡旋会社の担当者が、冴えない中年男から柑橘系の香水を付けた今時の若者に代わり、淫夢を見るようになった主婦を描く「グレープフルーツ・モンスター」、夫が勝手に転職を決める度に、将来への危機感からか仕事の質が格段に上がるイラストレーターを描く「夫とカーテン」、ロハスにハマった妻やその仲間を揶揄するユーモア小説を書いてしまったことを後悔する作家を描く「妻と玄米御飯」など家庭内の出来事を描く家族小説。
ネットオークションにハマってしまう主婦。落札者からの評価欲しさにダンナの大事にしてたギターを売ってしまう。ホントに読んでてハラハラするんだけど、結局は暖かい夫婦愛に収束して、非常に良い感じで話しは終わる。ここでこの同じ作者の「最悪」とか「邪魔」だったら、主婦はその秘密を消すために、ダンナをギターの弦で絞殺するか、自宅に火を放つことだろう。
かるーく読めて、ユーモアも豊富でしかも超ハートウォーミング。私生活で弱っているヒトにも安心して勧められる小説ですよ。
2012年05月06日
コーヒー
平成24年のゴールデンウィークも、終わ(自主規制)ましたね。
最近ハマっているのが、家でコーヒーを飲むことだ。
平日が帰って寝るだけの生活になったので、家にいる時間を少しでも豊かにしようと思い、コーヒーを飲もうと考えたのだ。といってもコーヒーに関係するものといったらコーヒーカップくらいしかないので、コーヒーカップに引っかけて飲む、一杯飲みきりのレギュラーコーヒーを買ってみた。10杯入りで200円。なかなかのコストパフォーマンスじゃないか。
うむ、お湯を注いでいるときの、他に何もできない時間帯が意外と心地よい。コーヒーのいい香りを嗅ぎながら、ちょっとずつお湯を注いでいると、何だか心に余裕ができてくるようだ。世の中には急いでやらなくちゃいけないことって、あまりないような気がしてくる。
何だか調子が出てきて、ドリッパーとフィルターペーパーを買ってみた。二つ合わせても数百円、もしコーヒーを飲まなくなったとしてもダメージは少ない。うむ、これだとカップに引っかけて注ぐやつよりカップの上のほうまで注げていい感じだ。わざわざ粉を移し替えるってのがムダと言えばムダなんだけど。
そうなってくるとヤカンが気になってくる。ウチにあるヤカンは笛吹ケトルである。直径が500円玉くらいの大きさの注ぎ口で、コーヒーに注ぐのに非常に狙いを付けにくい。ネットで調べてみると、どうやら鶴首のヤカンがいいらしい。
そんなわけでホームセンターのコーヒー関係のコーナーに来てみると、自分の想像よりも鶴首が鶴首してて、軽くひるむ。
こういうやつ
なんかこうコーヒーに特化してるオシャレ感がオレの腰を引かせる。こう、先のとがった革靴を履くような感覚。コーヒーを飲むときはすごく便利そうだが、カップラーメンにお湯を注ぐときにこれを使ったらヤカンに失礼な気がする。結局緑茶を飲むキュウスのようなヤカンを買った。これだって笛吹に比べれば段違いに注ぎやすい。
安心の形状
ツタヤで借りてきたCDを聴きながらリッツをおやつにコーヒーを飲む。そして明日からの仕(自主規制)に備えたいと思う。
最近ハマっているのが、家でコーヒーを飲むことだ。
平日が帰って寝るだけの生活になったので、家にいる時間を少しでも豊かにしようと思い、コーヒーを飲もうと考えたのだ。といってもコーヒーに関係するものといったらコーヒーカップくらいしかないので、コーヒーカップに引っかけて飲む、一杯飲みきりのレギュラーコーヒーを買ってみた。10杯入りで200円。なかなかのコストパフォーマンスじゃないか。
うむ、お湯を注いでいるときの、他に何もできない時間帯が意外と心地よい。コーヒーのいい香りを嗅ぎながら、ちょっとずつお湯を注いでいると、何だか心に余裕ができてくるようだ。世の中には急いでやらなくちゃいけないことって、あまりないような気がしてくる。
何だか調子が出てきて、ドリッパーとフィルターペーパーを買ってみた。二つ合わせても数百円、もしコーヒーを飲まなくなったとしてもダメージは少ない。うむ、これだとカップに引っかけて注ぐやつよりカップの上のほうまで注げていい感じだ。わざわざ粉を移し替えるってのがムダと言えばムダなんだけど。
そうなってくるとヤカンが気になってくる。ウチにあるヤカンは笛吹ケトルである。直径が500円玉くらいの大きさの注ぎ口で、コーヒーに注ぐのに非常に狙いを付けにくい。ネットで調べてみると、どうやら鶴首のヤカンがいいらしい。
そんなわけでホームセンターのコーヒー関係のコーナーに来てみると、自分の想像よりも鶴首が鶴首してて、軽くひるむ。
なんかこうコーヒーに特化してるオシャレ感がオレの腰を引かせる。こう、先のとがった革靴を履くような感覚。コーヒーを飲むときはすごく便利そうだが、カップラーメンにお湯を注ぐときにこれを使ったらヤカンに失礼な気がする。結局緑茶を飲むキュウスのようなヤカンを買った。これだって笛吹に比べれば段違いに注ぎやすい。
ツタヤで借りてきたCDを聴きながらリッツをおやつにコーヒーを飲む。そして明日からの仕(自主規制)に備えたいと思う。
2012年05月05日
邪魔
今週読んだ小説は1冊。
奥田英朗「邪魔」
この小説の前に読んだ「最悪」と同じ系統の、平凡な主婦が堕ちに堕ちまくるという胸くその悪い話。
とりあえず登場人物の諦めの悪さといったら無い。ウソにウソを塗り固めて、どうにか責任から逃れようと、そして現実から目を背けようとして、物語は最悪の方向に転がっていくという、だからオレはハッピーエンドが好きなのに何でこんな小説を読んでるんだっていう話。
「最悪」のほうは、登場人物が転落するサマがありえないくらいにひどくてむしろ喜劇的な感じだけど、「邪魔」のほうは割とガチで気の毒になる感じ。でもほぼ自業自得だし仕方ないよねって突き放せる部分で、読んでてキツいランキングは2小説とも同じくらいか。
奥田英朗の小説って、人間というものはホント悲しいくらいに正解を選べなくて、むしろ進んで不正解の道を選んでしまうって話が多いよね。そしてその部分には全面的に同意できる。
途中で伏線はだいたい回収されるんだけど、むしろそこからが真骨頂。登場人物が転げ落ちる速度はどんどん増していき、完全に自由落下レベル。そしてみんな正気を失う。この辺は特に面白くて、とにかくページをめくらせる。そしてほろ苦く、タバコでも1本吸いたくなるようなエンディングへ。
ホント、ゴールデンウィークの狭間で読み終わったから良かったものの、連休明けとかに読んでたら小説に凹んで日常生活に影響を与えるところだったよ。
何はともあれ、普通の人間がいかにして犯罪を犯したかって話が好きなら、「最悪」と並んでオススメです。
奥田英朗「邪魔」
始まりは、小さな放火事件にすぎなかった。似たような人々が肩を寄せ合って暮らす都下の町。手に入れたささやかな幸福を守るためなら、どんなことだってやる―現実逃避の執念が暴走するクライム・ノベルの傑作、ここに誕生。
この小説の前に読んだ「最悪」と同じ系統の、平凡な主婦が堕ちに堕ちまくるという胸くその悪い話。
とりあえず登場人物の諦めの悪さといったら無い。ウソにウソを塗り固めて、どうにか責任から逃れようと、そして現実から目を背けようとして、物語は最悪の方向に転がっていくという、だからオレはハッピーエンドが好きなのに何でこんな小説を読んでるんだっていう話。
「最悪」のほうは、登場人物が転落するサマがありえないくらいにひどくてむしろ喜劇的な感じだけど、「邪魔」のほうは割とガチで気の毒になる感じ。でもほぼ自業自得だし仕方ないよねって突き放せる部分で、読んでてキツいランキングは2小説とも同じくらいか。
奥田英朗の小説って、人間というものはホント悲しいくらいに正解を選べなくて、むしろ進んで不正解の道を選んでしまうって話が多いよね。そしてその部分には全面的に同意できる。
途中で伏線はだいたい回収されるんだけど、むしろそこからが真骨頂。登場人物が転げ落ちる速度はどんどん増していき、完全に自由落下レベル。そしてみんな正気を失う。この辺は特に面白くて、とにかくページをめくらせる。そしてほろ苦く、タバコでも1本吸いたくなるようなエンディングへ。
ホント、ゴールデンウィークの狭間で読み終わったから良かったものの、連休明けとかに読んでたら小説に凹んで日常生活に影響を与えるところだったよ。
何はともあれ、普通の人間がいかにして犯罪を犯したかって話が好きなら、「最悪」と並んでオススメです。
